「親子で聴きたいオチャノマ音楽04」 扇谷研人さんとの出会い 持田裕子さんのこと

今回、「親子で聴きたいオチャノマ音楽」で
インタビューをさせていただいた、扇谷研人さんとも不思議なご縁がありました。

それは10年程前、2005年にマドレーヌレコードから声をかけていただいて、
『愛のうた』ekipoa(エキポア)というユニットの
アルバムのジャケットをデザインさせていただいたことが始まりです。
そのekipoaというユニットで作詞作曲をしていた中心メンバーが
持田裕子さんというシンガーソングライターの方でした。
そしてそのアルバムのプロデューサーが扇谷研人さんだったのです。

持田裕子さんは90年代からライブを中心に音楽活動を開始。
ブラジル音楽をベースに、独自の感性の言葉とメロディーで歌う
シンガーソングライターでした。ミニアルバム『Way of water』、

『愛のうた』などを発表していました。
ボサノヴァがそれほど日本に普及していない時代から
ブラジル音楽に傾倒し、ユーモアもありつつ、哲学的だったりスピリチュアルな歌詞を
独特の美しいメロディーに載せて歌うスタイルでした。
それから時が流れて、2015年に突然の訃報が届きました。
1年8ヶ月の闘病生活の後、癌で亡くなりました。
というお知らせに本当にびっくりしました。
アルバムのデザインを制作していた当時は、何度かライブにもおじゃまして、その曲に感動しました。
私が当時作っていたミニコミでインタビューなどもさせていただきました。
その後も、どこかで音楽活動をされていると思っていました。
本当に残念としかいいようがありませんでした。
きっとご家族の方や親しかった方々の悲しさは想像以上だったと思います。

また、アルバムをデザインさせていただいた当時、
私は会社をやめアルバイトをしながらデザインをやっており、
どこにも所属しておらず、はっきり言ってただの自称デザイナーでした。
そんな若輩者の私にもちゃんと接してくれて嬉しかったのを覚えています。
未熟ではありましたがデザイナーとして一歩踏み出す自信を持てたのも
持田さんのおかげだと、今でも感謝しています。
その『愛のうた』のプロデューサーが扇谷研人さんだったのです。
持田さんが「『愛のうた』イントロのフレーズは研人くんに作ってもらったんだよ」
なんて言っていたのを覚えています。
また、扇谷さんもインタビューの中で、
「彼女の音楽は手放しで尊敬するんですよ。すばらしい才能を持ちながら亡くなってしまって、すごく残念なんですけど。少しでも知ってもらう窓口になれたらと思うんですよね」とおっしゃっていました。

その持田さんの追悼ライブが昨年2015年6月22日に催されて、
そこであらためて持田さんの楽曲に感動したのと同時に、
バンマスを務められていた扇谷さんの演奏のすばらさに魅了されました。
それから扇谷さんのライブに遊びに行ったり、ピアノアルバムや、
所属されていたバンドのオルケスタ・デ・ラ・ルスなどを聴きました。
ピアノの演奏でこんなに表情豊かに、音楽のジャンルも横断して、
いろんな表現ができることにおどろきました。
また、故郷が札幌で私と同郷というところにも、勝手に親しみを覚えましした。
坂本真綾、西野カナ、平原綾香、辛島美登里など有名歌手の
キーボーディストとして第一線で活躍される中、小学生向けのコンサートなども開催されていて、
オチャノマート的にも、子どもに対するまなざしがきっと優しい方なのかなと思い
勇気を出してインタビューをお願いしました。
持田さん同様、扇谷さんも優しく接していただいて、本当に嬉しく、ありがたく思っています。

扇谷さんのピアノ演奏がすばらしいのでぜひこちらで見てみてください。楽曲は、持田裕子さんの『言葉』です。

そして持田さんの音楽に興味をもった方はこちらのアルバムを聴いてみてください。
タイトルどおり、「愛」に溢れる曲が収録されていて
いつの時代になっても古くならないすばらしい楽曲ばかりです。

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『愛のうた』ekipoa(持田裕子)マドレーヌレコード

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